絶対に入っておくべき任意保険とは?

2016年5月16日

簡単に言うと…

  • 任意保険とは、自賠責保険では補償されない部分を補う保険です。
  • 任意保険は、大きく分けると賠償責任保険・障害保険・車両保険の3つに分類され、さらに、対人賠償保険・対物賠償保険・搭乗者傷害保険・自損事故保険・無保険者傷害保険・人身傷害補償保険・車両保険の7つに分かれます。
  • これら7種類の保険はすべて任意保険なので加入するかどうかは自由ですが、他人のためにも自分のためにも、対人賠償保険・対物賠償保険・搭乗者傷害保険の3つの保険には必ず加入しておいたほうが良いでしょう。

絶対に入っておくべき任意保険とは?

車を運転する方の多くは、まさかご自身が重大な交通事故を起こすとは、考えていないでしょう。一方で、重大な交通事故は、いつ何時、誰の身にも起こっても不思議ではないことも、薄々承知しているはずです。

ここで今一度、自動車保険の任意保険について基本からおさらいしてみましょう。そのうえで、ご自身のカーライフに本当に必要な任意保険を見つめ直すきっかけにしていただければ幸いです。

任意保険の定義

任意保険の定義任意保険とは、自賠責保険では補償されない部分を補う保険です。自賠責保険との違いを明らかにしながら任意保険について理解してみましょう。

自賠責保険とは、事故を起こして他人に損害(死亡、ケガ)を与えた際、被害者に対し最低限の賠償金を補償する制度です。自動車、自動二輪、原付バイクを所有するすべての人に加入義務があり、未加入または有効期限切れであった場合には罰則も用意されています。

自賠責保険では、他人を死亡させた場合には3000万円、ケガを負わせた場合には120万円など、支払われる保険金が原則として決まっています。自賠責保険の範囲内で被害者を十分に救済できれば良いのですが、実際の交通事故では自賠責保険の額を遥かに超える賠償請求がなされる場合も少なくありません。

そこで、自賠責保険の範囲を超える部分を補償する目的で、任意保険が登場します。任意保険に加入するかどうかは「任意」ですから、自賠責保険とは違って、必ずしも加入する義務はありません。ただし、車を所有するほとんどの人が、ご自身のカーライフに合った任意保険に加入しているのが普通です。

事故対象の違いによる任意保険3つの分類

任意保険は、大きく分けると賠償責任保険障害保険車両保険の3つに分類されます。それぞれの特徴を確認してみましょう。

賠償責任保険

賠償責任保険とは、事故によって他人、他人の車、モノなどに損害が生じた場合(他人の死亡も含む)、その損害に関わる全部または一部を補償する保険です。

障害保険

障害保険とは、事故によって自分または同乗者などが死亡したりケガをしたりした場合に、その状態に関わる全部または一部を補償する保険です。交通事故傷害保険の補償範囲は非常に広いため、契約する際には約款を確認しておいたほうが良いでしょう(自動車以外の乗り物に対しても補償される場合があります)。

車両保険

車両保険とは、事故によって生じたご自身の車両の損害について、その修理代の全部または一部を補償する保険です。

以上3つに大別される任意保険は、さらに枝分かれして7つの保険に分類されます。
以下ではこの7つの保険について見てみましょう。

事故対象の違いによる任意保険3つの分類

「賠償責任保険」に分類される保険

①対人賠償保険

事故によって他人を死亡させたり、ケガを負わせてしまった場合に、その損害を補償する保険です。

②対物賠償保険

事故によって他人のモノを壊してしまった場合に、その損害を補償する保険です。

「障害保険」に分類される保険

③搭乗者傷害保険

事故を起こしたときに、自分の車に同乗していた全ての人のケガ、死亡を対象に補償する保険です。

④自損事故保険

自らの過失だけが原因で起こした事故において、自らに生じた身体的な損害を対象に補償する保険です。ケガのみならず死亡も含まれます。

⑤無保険者傷害保険

事故の相手方に賠償金を十分に支払う能力がない場合に支払われる保険です。相手方が対人賠償保険に加入していない場合などが該当します。自分が死亡したり、または自分に後遺障害が残ったりした場合にのみ適用されます。

⑥人身傷害補償保険

事故による死亡やケガの補償を対象とした保険です。自分の車に同乗していた全員が補償対象となります。

「車両保険」に分類される保険

⑦車両保険

事故や盗難、自然災害、いたずらなどによって自分の車に損害が生じた場合、その損害を対象に補償される保険です。

最低限入っておくべき任意保険3つ

上で説明した7種類の保険はすべて任意保険なので、加入するかどうかは自分の自由になります。ただし、車を利用する以上、他人のためにも自分のためにも、以下の3つの保険には加入しておいたほうが良いでしょう。

対人賠償保険

任意保険の中でもっとも重要な保険と言っても良いでしょう。平成23年11月、41歳開業医を交通事故死させた加害者に対し、横浜地裁は5億843万円の賠償を命じました。また平成23年2月、交通事故によって21歳大学生に後遺障害を負わせた加害者に対し、名古屋地裁は3億7829万円の賠償を命じました。交通死亡事故の加害者になってしまった場合、自賠責保険から支払われる保険金は、治療補償と死亡補償を合わせて3120万円のみです。対人賠償保険には無制限で加入しておくべきです。

対物賠償保険

事故によって他人車両に損害を与えてしまった場合や、自損事故によってガードレールや電柱、信号機などを損壊した場合に対象となります。電柱や信号機は、損壊状態によっては数百万円の賠償が必要となるケースもあります。

搭乗者傷害保険

事故の相手方の有無に関わらず、搭乗者全員のケガや死亡を補償対象とする保険です。人身傷害保険と補償内容が重複してしまう部分も多いため、いずれか一方に加入していれば良いとする意見もあります。

任意保険には加入しておくべき

任意保険には加入しておくべき上記「対人賠償保険」でも例を挙げましたが、交通事故の加害者になると、場合によっては億単位の賠償金を課せられる可能性があります。生涯収入を超える額になるかも知れません。容易に支払いができる方は、ほとんどいないでしょう。

交通事故は、意図的に起こすものではありません。多くの偶然が重なって、運悪く加害者になったり被害者になったりするものです。
任意保険、特に対人賠償保険には無制限で加入しておくべきです。

なお、裁判所からの命令による賠償金とは言え、ない袖は振れません。仮に裁判所が加害者の給与や預貯金、家財などの差し押さえをしたとしても、損害賠償の額に満たない可能性もあるでしょう。

また事故の状況にもよりますが、加害者側の自己破産が成立してしまえば、破産法によって加害者は賠償金の支払いが免責されます。こうなると、被害者は「泣き寝入り」せざるを得ないことになります。仕事もできず、介助も必要な一生になるかもしれません。ご自身が被害者になったことをイメージしてみてください。そうすれば任意保険がいかに大事な保険であるかは、心情的にも理解できるかと思います。今一度、ご自身の任意保険の補償内容を確認してみてはいかがでしょうか?

事故による損害の対象がモノならまだ良いのですが、「人」である場合は、想像もできないような損害金の額になることもあります。いつ何時、誰が加害者になるか知れません。万が一に備え、特に「人」に関わる任意保険には無制限で加入することをおすすめします。