自動車保険の等級に関する基本知識

2016年5月16日

簡単に言うと…

  • 自動車保険の等級に関しては、事故を起こさなければ等級が上がり、保険料が下がるというのが基本的な仕組みです。
  • もし無事故で1年を過ごした場合は翌年1等級上がり、もし事故を起こした場合は翌年1等級または3等級下がります。
  • 現在の等級は、保険会社を変更して新規契約しても同じ等級のまま引き継がれ、また、等級は家族にそのまま引き継ぎすることもできます。

自動車保険の等級に関する基本知識

自動車保険を契約する際に様々な説明を受けているはずなので、無事故が続けば保険料が下がり、事故を起こせば保険料が上がる、という仕組みを漠然とはご存知でしょう。

この保険料変動の基礎となっているものは等級と呼ばれる基準数字です。ここでは、自動車保険の保険料計算の基礎となる等級について詳しく解説します。併せて、少しでも保険料を節約するための等級の引継ぎについても理解しておきましょう。

自動車保険と等級

自動車保険と等級自動車保険は、フリート契約ノンフリート契約に分けることができます。フリート契約とは、自動車保険の契約者が使用する自動車の数が10台以上の場合に結ぶ保険契約です。9台以下の場合に結ぶ保険契約はノンフリート契約と呼びます。個人の場合、普段使用する車は9台以下でしょうから、ほとんどの方はノンフリート契約を結ぶことになります。

ノンフリート契約では、契約者間の公平を期す目的でノンフリート等級別料率制度が導入されています。ノンフリート等級別料率制度とは、年度内に保険請求をしたかどうかで翌年度の保険ランク(等級)が決まる制度です。保険ランク(等級)に応じて保険料も決まるため、無事故を継続すれば等級が上がって保険料が安くなり、事故を起こせば等級が下がって保険料が高くなるという仕組みです。

一般に等級には1等級から20等級までがあり、数が多ければ多いほど優良ドライバーとされ保険料の割引率も大きくなります。最優良ドライバーである20等級の方は最大で60%以上もの保険料割引が適用される場合があります。逆に1等級の方は最大で60%以上の保険料割増となる場合があります。なお、保険契約をしてから14年間連続無事故(保険請求なし)の場合には、最優良ドライバーの20等級となります。

等級の決まり方

等級の決まり方新規で自動車保険を契約した場合、最初は6等級からスタートします。

その後、もし無事故で1年を過ごした場合は翌年1等級上がり(保険料が安くなる)、もし事故を起こした場合は翌年1等級または3等級下がります(保険料が高くなる)。

無事故の年数に応じて等級が1つずつ上がることは分かりやすいのですが、事故を起こした翌年にどのくらい等級が下がるかは一度整理して理解しておきましょう。

3等級ダウン事故

車同士で衝突した事故や、単独で起こした事故などが3等級ダウン事故に該当します。具体的には、他人を死傷させた場合(対人賠償保険)、他人の車・モノを壊した場合(対物賠償保険)、自分の車を壊した場合(車両保険)などです。

1等級ダウン事故

盗難、落書き、飛び石、自然災害(台風・洪水・高潮など)などによって自分の車が破損した場合(車両保険)などに適用されます。かつてこの類の事故は等級据え置きでしたが、2012年10月の制度改定によって1等級ダウン事故となりました。

このように、責任の所在が自分にあってもなくても、事故を起こして保険請求をした場合には3等級または1等級ダウンします。多くの場合、3等級ダウン事故となります。なお例外として等級に影響のないノーカウント事故があります。年度内に起こした事故がノーカウント事故のみの場合は、翌年、ランクが1等級上がります。

ノーカウント事故の例

自分や家族がケガをして、人身傷害補償保険や搭乗者傷害保険、弁護士費用特約、ファミリーバイク特約などを請求した場合などに該当します。

同じ等級でも保険料が違うことがある

無事故係数に基づいた等級と、事故有係数に基づいた等級の2種類があります。 たとえば事故を起こして保険請求を行なった場合、翌年は事故有係数に基づいた等級が与えられます。無事故係数に基づいた等級と事故有係数に基づいた等級とでは、保険料の割引率が異なります。

保険料割引率の具体例

・無事故でランクアップし8等級になった場合
無事故係数に基づき保険料40%割引となります。

・事故を起こしてランクダウンし8等級になった場合
事故有係数に基づき保険料21%割引となります。

このように、無事故・事故有の係数の違いによって、たとえ同じ等級であったとして保険料の割引率は大きく異なります。また、事故有係数が適用される期間は、3等級ダウン事故の場合は3年、1等級ダウン事故の場合は1年となります。

事故有係数適用期間の具体例

・無事故係数10級の人が1等級ダウン事故を起こした場合
次年度は事故有係数9級となり、保険料は45%割引から22%割引になります。
その年度内に無事故であれば、翌年は無事故係数10級に戻ります。

・無事故係数10級の人が3等級ダウン事故を起こした場合
次年度は事故有係数7等級となり、保険料は45%割引から20%割引になります。
その年度を含め3年間無事故であれば、4年目は無事故係数10級に戻ります。

なお、事故有係数の適用期間の上限は6年とされています。2年連続で3等級ダウン事故を起こした場合などは、6年間事故有係数が適用されることになります。

等級の引継ぎについて

現在の等級は、保険会社を変更して新規契約しても同じ等級のまま引き継がれます(保険会社間の等級引継ぎ)。また、等級は家族にそのまま引き継ぎすることもできます(家族間の等級引継ぎ)。

それぞれ詳しく見てみましょう。

保険会社間の等級引継ぎ

国内にある保険会社間では個人の等級情報が共有されているため、たとえ保険会社を変更したとしてもスムーズに等級引継ぎが行なわれます。

外資系保険会社でも、国内にあれば問題ありません。共済から保険会社に変更する場合には一部例外もありますので、事前に保険会社に問合せてください。

家族間の等級引継ぎ

契約者の等級を、そのまま家族の新規車両保険に引き継ぐことができます。
引継ぎができる家族の範囲は、

①契約者の配偶者(内縁関係も可)
②契約者の同居親族
③配偶者の同居親族

になります。
若い方は事故率が高いために保険料も高くなります。

親御さんの良好な等級をお子様に引き継げば、親御さん側の等級は6等級に戻りますが、トータルでかかる保険料は大幅に節約できる可能性があります。ただし「同居」が条件であることを忘れないようにしてください。

以上、自動車保険の等級について詳しく見てみました。冒頭に戻りますが、結局は「事故を起こさなければ保険料が下がる」という漠然とした認識は当たらずも遠からずです。日頃から慎重に運転している方はその分保険料が安くなる、という仕組みになっています。自動車保険をご自分に合ったものに見直し、万が一の際に備えておくことをおすすめします。