電力自由化のメリットとは?

2016年5月9日

簡単に言うと…

  • 電力自由化によって、様々な業種の事業者が電力業界に参入することになります。
  • 各事業者は少しでも多くの顧客を獲得する目的で、電力を販売するだけでなく、携帯料金と電気料金とのセット割、ガス料金と電気料金とのセット割、電気料金に応じたポイント付与など、これまでになかった多種多様なサービスが生まれてくる可能性があります。
  • また、電力自由化以降は、各事業者が自由に電気料金を決めることができるようになるので、競争原理が働き、電気料金が安くなることも考えられます。

電力自由化のメリットとは?

2016年4月、電力自由化がスタートしました。みなさんは、少しでも電気料金が有利になる業者を積極的にお探しでしょうか?実際にはまだまだ不透明な部分があり、従来の電力会社の契約のまま、という方も多いのではないかと思います。

ここでは改めて電力自由化の基本を確認し、併せて電力自由化のメリットなども紹介します。みなさんの電力事業者選びに、ぜひお役立てください。

そもそも電力自由化とは何か

そもそも電力自由化とは何か電力自由化とは、厳密な意味では発電自由化小売自由化送配電自由化など、電力関連一連の自由化の総称になります。ただし、現在私たちがニュースなどでよく耳にするものは、これらのうち主に小売自由化のことを指しています。

電力の小売自由化とは、東京電力や関西電力などの一般電気事業者(俗に電力10社と呼ばれる)以外の事業者が需要者のニーズに応じて電力を販売できる制度のことです。

以前から電力の小売自由化は実施されてはいますが、これまでは電気事業法の規制によって、電力10社以外の事業者には小売の範囲に制限がありました。この制限が段階的に撤廃され、2016年4月より制限は全面撤廃されるに至ったのです。

一般に電力自由化と言うときは、この小売制限の全面撤廃のことを指しています。電力自由化によって、私たち一般家庭でも、電力10社以外の一般事業者から電力を自由に購入できるようになりました。2016年4月18日現在、電力小売を認可された一般事業者は計286社にものぼります(資源エネルギー庁HP参照)。

電力自由化の議論がなされた直接的なきっかけは、バブル崩壊です。バブル崩壊をきっかけとした様々な議論の中で、電力会社におけるコスト高や国外との価格差が大きな問題となりました。これら問題の是正を求める声の中で生まれたのが、電力業界への競争原理の導入です。

以後、既存の電力会社のみで構成されてきたそれまでの電力業界に、制限付きで他の事業者も参入できるようになりました。これが電力自由化のスタートです。

電力小売自由化の歴史

電力小売の自由化は、2000年3月から制限付きでスタートしました。その後、段階的に制限が緩和され、2016年4月に完全自由化に至ります。
完全自由化までの推移を時系列で見てみましょう。

2000年3月…電力小売自由化がスタート

一般事業者は、2000kW以上の電力を必要とする需要者に対してのみ電力の販売が許可されました。小売の対象は事実上、大型工場や大型オフィスビルなどに限定されました。この時点で総電力需要の、26%が自由化されました。

2004年4月…電気事業法の規制緩和

一般事業者の小売対象が、500kW以上まで引き下げられました。この段階で、中規模の工場やビルなども小売の対象に入るようになりました。総電力需要の40%が自由化されました。

2005年4月…電気事業法の規制緩和

一般事業者の小売対象が、50kW以上まで引き下げられました。この段階で、小規模な工場やスーパーなども小売の対象に入るようになりました。総電力需要の63%が自由化されました。

2016年4月…電力小売完全自由化

電気事業法の規制が全面撤廃され、一般事業者は全ての需要者に電力を販売できるようになりました。商店や一般家庭なども含め、総電力需要の100%が小売の対象となりました。

メディアでの扱われ方から、電力自由化は2016年から突如スタートしたとの印象をお持ちの方もいらっしゃると思いますが、実際にはこのように16年もの歳月をかけて段階的に拡大されてきた制度なのです。

電力自由化によって変わること

電力自由化が実施されることにより、電力をとりまく環境は大きく変わります。
とりわけ私たち一般家庭に関連のある変化として、以下の4つが大事です。

①電力10社以外の一般事業者からも電力を買うことができる

これまで低圧電力に分類される一般家庭などは、東京電力や関西電力などの電力会社10社からしか電力を買うことができませんでした。電力自由化によって、一般家庭でも他の事業者から電力を買うことができるようになります。

②より電気料金が安い事業者から電力を買うことができる

電力自由化以前の電気料金は、電力10社と国が協議のうえ決めていました。電力自由化以降の電気料金は、各事業者が自由に決めることができます。一般家庭にとって、より有利な事業者を選んで契約することができます。

③遠く離れた事業者からも電力を買うことができる

電力自由化以前は、一般家庭は居住する地域を管轄する電力会社からしか電力を買うことができませんでした。電力自由化以降は、居住地域外で発電された電力を買うこともできるようになります。

④価値観を共有できる事業者から電力を買うことができる

電力10社の発電方法は、その約95%が火力発電です(資源エネルギー庁「エネルギー白書2015-第2部エネルギー動向」参照)。それに対して新規参入事業者は、風力発電や水力発電などの再生可能エネルギーも含め様々な発電方法を提案しています。電力自由化によって、各ご家庭の価値観に合った電力事業者を選ぶことができます。

電力自由化によるメリット

電力自由化によるメリット電力自由化によって、様々な業種の事業者が電力業界に参入することになります。各事業者は少しでも多くの顧客を獲得する目的で、単に電力を販売するだけでなく、サービス内容にも様々な創意工夫を凝らすことになるでしょう。

たとえば、携帯料金と電気料金とのセット割(携帯電話事業者)、ガス料金と電気料金とのセット割(ガス供給会社)、電気料金に応じたポイント付与制(流通・小売業者)など、これまでなかった多種多様なサービスが生まれてくる可能性があります。これらのサービスの多様化は私たち一般家庭にとって大きなメリットです。

しかし、それ以上に大きな恩恵は、やはり電気料金が下がる可能性があることでしょう。上でも触れましたが、電力自由化以前の電気料金は実質、電力10社と政府との打ち合わせによって決められていました。

ところが、電力自由化以降は、各事業者が単体で自由に電気料金を決めることができます。電力市場にこれまでなかった競争原理が働くことになるので、電気料金は企業努力の限界まで下がる可能性もあるでしょう。併せて上記で触れた様々なセット割やポイント制度なども利用すれば、電気料金の実質負担額はさらに下がることが想定されます。

以上、電力自由化の基本からメリットまで、網羅的に確認してみました。電力は私たちの生活に不可欠です。生涯、電気料金を支払い続けることが決まっているわけですから、惰性に任せず、少しでも各家庭に有利な業者を積極的に探していきましょう。”

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